僕の名前で、信頼される時代が来る
これまで、飲食業界で“信頼”というのは
「どこの有名レストランで修業したか」
「誰と繋がっているか」
そんな肩書きや権威が評価されることが多かった。
お店を開店した当初(今も)、それは感じる。
でもWeb5の世界では、それは通用しなくなる。
求められるのは、「あなた自身は何者か?」という問いに対する、デジタルでの証明力=アイデンティティだ。
レストランの名前より、料理人個人の思想や履歴、関係性が評価される──
そんな時代がもう目の前に来ている。
デジタルアイデンティティとは「生き方の証明」
Web5における「自己主権型アイデンティティ(SSI)」とは、
誰かの管理下ではなく、自分自身で自分の“情報”を持ち、証明し、活用できるという概念だ。
たとえば僕がこんな証明を持っていたとする。
• 小田原で10年以上飲食店を運営
• 地元農家から年間50品以上の食材を直接仕入れ
• フードロス削減率92%
• お客様の再来店率70%以上
これらの情報が改ざん不可能なかたちで蓄積され、信頼される。
もうSNSの「いいね」や、誰かの推薦に頼らず、自分自身の実績と行動が“信用そのもの”になる。
中央のプラットフォームに依存しない、という革命
今までは、InstagramやGoogleレビュー、食べログのような
「中央管理されたプラットフォーム」が評価の基準だった。
でもそれは、ルールが変わればリセットされてしまう危うい土台でもある。
Web5では、自分のアイデンティティと履歴が、プラットフォームを超えて持ち運べるようになる。
たとえば
• SNSが消えても、評価は失われない
• レストランを変えても、信用は引き継がれる
• 移住しても、過去の実績はそのまま生きる
つまり、「名前」ではなく「人間性と行動」が未来をつくる時代になる。
料理人に求められるのは、“物語”と“対話”の力
信頼が個人単位で評価される時代には、
自分の哲学や選んだ理由を、ちゃんと“言語化”する力が求められる。
「なぜこの食材を選んだのか」
「どんなお客様と向き合いたいのか」
「この料理に込めた感情は何か」
これまで、厨房の裏に隠れていた“物語”を
オープンに発信し、共有し、共感してもらう──
その積み重ねが、自分自身のデジタルアイデンティティになっていく。
店のブランドより、料理人の人格が残る時代へ
店舗は閉店することがある。
SNSはアカウント停止されることがある。
でも、Web5の自己主権型IDで蓄積された信用は消えない。
これは、地方で地道に働く料理人にとって最大のチャンスだ。
誰かの看板を借りなくても、自分の名前で信頼を築ける。
“職人”ではなく“思想家としての料理人”が、世界と繋がれる。
僕はこの時代を楽しみにしている。
自分の料理と生き方を、誰かに見つけてもらう未来が、そこにはあるから。
