料理は、一期一会のメッセージ──地元食材で紡ぐ、僕のストーリー

料理人の僕

料理は「情報」ではなく「気配」だと思っている

レストランの料理には、写真やスペックでは伝わらない「気配」がある。

それは、香りだったり、温度だったり、盛りつけの余白だったり──

もっと言えば、その日の空気、光、会話のテンポまで含まれる。

僕が大切にしているのは、その「気配」を料理に込めること。

そして、それを支えてくれるのが地元の食材だ。

食材の“顔”が見えることが、料理の言葉を変えた

小田原に戻ってから、たくさんの農家さんと直接やりとりするようになった。

「このヤングコーン、もう少しで出荷するから味見してみて」

「リクエストいただいたお野菜出来上がったから持っていきますね」

そんなやりとりが、料理を変えた。

スーパーで仕入れる野菜とは違う、“手のぬくもり”が感じられる素材。

それを前にすると、自然と皿の構成や調理法も変わる。

料理が「作業」から「対話」になった。

一期一会を、皿に込める

たとえば、お野菜はその時々で状態が変わる。

ズッキーニの水分量も、雨が多かった年と少なかった年ではで違う。

今日、直売所で買えたお野菜が次の日には買えないなど。

つまり、今日のこの一皿は、今日しか作れないということ。

それが料理の魅力であり、怖さでもある。

だからこそ、僕は“今”に向き合う。

皿の中でしか交わらないメッセージを、ちゃんと届けたいと思っている。

地元の食材を使うことは、土地と時間への敬意

小田原という町は、海と山に囲まれ、季節の移ろいがはっきりしている。

その中で育つ野菜や魚介には、その年、その月の「時間」が刻まれている。

料理に使うということは、その時間を切り取って届けるということ。

それは、単なる地産地消ではない。

「この町で生きている」というメッセージでもある。

料理は、僕なりのラブレター

僕にとって料理とは、感謝のラブレターだと思っている。

・生産者さんへの敬意

・お客様への想い

・この土地への愛情

・今日という日の特別さ

それらをひと皿に込めて、火を入れ、盛りつけている。

料理は消える。食べたら終わる。

でも、記憶に残る料理は、ずっと心に居続ける。

5月になると、北海道のアスパラを使ったお料理が食べれるな…

6月は、地物のとうもろこしを使ったポタージュだなあ…

とお客様に思い出していただけたらと思っている。

僕が目指しているのは、そんな“記憶に残るお料理を作る料理人”であり続けることだ。

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